「テニスは足ニス」とも言われるほど重要なテニスのシューズ選びのポイント

「テニスは足ニス」とも言われるほど重要なテニスのシューズ選びのポイント

テニスは「足ニス」ともいわれるほど、フットワークが大切なスポーツです。その足の動きを支えるシューズの役割は重要といえます。そのため適切でないシューズを選んでしまうと、上達の妨げにもなりかねません。テニスのシューズを選ぶためには、ご自身のプレイスタイルに合わせたシューズの機能面に関する知識が必要です。そのほかご自身の足のサイズや形状などについての深い理解も大切とされています。

テニスのシューズ選びのために知っておくべきポイントをお伝えしましょう。

テニスコートの種類に合わせて選ぶ

テニスのシューズを選ぶポイントとして最も大切なのは、ご自身がプレイするコートに合わせて選ぶことです。テニスコートには、さまざまな地面の種類(サーフェイス)があり、そのサーフェイスによって材質が異なります。サーフェイスに合わないシューズでプレイをすれば、靴底が滑りやすくなったり地面の素材に引っかかりやすかったりすることもあり、動きにくいだけではなく、危険を伴う場合もあるのです。

それではテニスコートにはどのような種類があるのか、そしてそれぞれのコートに合わせたシューズはどのような機能を備えているのかをお伝えします。

オムニコートとクレーコート

オムニコートとは、人工芝に砂が混じったコートです。自然に近い感触なので足腰に負担がかかりにくいため、身体に優しいコートといえるでしょう。足元が適度に滑るという特徴があります。

クレーコートは、学校などでよくみられる、地面が土や砂のコートです。グランドスラム4大大会の1つである全仏オープンが、この種類のコートで行われます。使われる土や砂の種類によってもさまざまなタイプがあり、ヨーロッパではレンガを砕いた材料による、レッドクレーが多くなっています。

このオムニコートとクレーコートは、同じシューズを使い、シューズにも「オムニ&クレーコート用」と表示されています。

このシューズは、土や砂などの滑りやすい状況に対応できるように、ソールの凹凸が激しく、ストップ性能を重視したつくりになっています。

ハードコートとカーペットコート

ハードコートは、表面が固いコートです。セメントやアスファルトの上に化学樹脂をコーティングして作られています。グランドスラムの全米オープンや全豪オープンなど、世界の多くの大会で使われているコートです。オムニコートやクレーコートとは反対に滑りにくいのが特徴で、固いので身体への負担がかかりやすいというデメリットもあります。

カーペットコートは、インドアテニススクールなどに多い、絨毯のようなコートです。柔らかくて足腰に負担がかからず、転んでも怪我をしにくいという特徴があります。屋内に作られたコートなので、雨天時にもプレイが可能です。

ハードコートとカーペットコートには、それぞれの専用のシューズもあり、オールコート用のシューズがおすすめです。

オールコート用は、どのタイプのコートでも使えます。オムニ&クレーコート用のシューズに比べてソールが平らなため、スライドしやすい特徴があります。クッション性もあるのでオムニ&クレーコートにもある程度対応できるのです。どちらかといえばハードコートに向いているといえるでしょう。

カーペットコートは素材の特性上、ソールの凹凸部に引っかかる場合もあるので、足腰の弱い女性や子どもにとっては、カーペットコート専用シューズを選ぶほうがより安全にプレイできます。

ご自身のプレイスタイルに合わせたシューズ選び

シューズを選ぶ際には、ご自身がどのようなコートでプレイすることが多いのかを考慮して、サーフェイスに合うシューズを選びましょう。

絶対にやってはいけないのは、オムニ&クレーコート用のシューズを履いてハードコートでプレイすることです。ストップ性能が高いため、足首をひねるなど怪我の原因になる可能性もあります。

そのためオムニ&クレーコートと、ハードコートの両方でプレイする機会がある方は、シューズを2足用意することをお勧めします。

ご自身の足の大きさと形に合わせて選ぶ

普段履くための靴やスニーカーは、ご自身の足のサイズに合わせたうえで、歩きやすさや着脱のしやすさ、好みのデザインなどで選ぶことが多いでしょう。それではテニスのシューズを選ぶときも同じように選んでも大丈夫なのでしょうか。

テニスの動きは、歩いたり走ったりするだけの日常的な行動と比べて、足を横に踏み出したりジャンプしたりするなど、さまざまな動作を行います。そのため前に進むことだけを想定して作られたスニーカーやウォーキングシューズとは異なる機能があるため、しっかりと吟味して選ぶ必要があります。

不適切なシューズを選んでしまうと上達の妨げにもなってしまいますので、専門的なアドバイスを聞きながら、しっかりと選びましょう。

シューズのサイズとワイズ

シューズの大きさを表すものとして、サイズ(足長)とワイズ(足囲)があります。シューズを選ぶときには、ご自身が普段履いているサイズとワイズが表示されたものを試し履きしてフィット感を確かめるでしょう。

しかし同じサイズで表記されていても、履いた靴によって合ったり合わなかったりした経験はありませんか。実は靴のサイズには明確な基準がないため、メーカーによって、あるいは同じメーカーでもモデルによって、実際の大きさが微妙に違うことは多々あります。

そこでお勧めなのは、ご自身の正確な足の大きさを計測して把握しておくことです。把握しておくことにより、あまりお勧めはしませんが、シューズの試し履きができなくて通信販売で購入しなければならないといった場合にも、失敗のリスクを減らせます。

サイズ(足長)とは、いちばん長い指の中心から、踵のいちばん出っ張ったところまでを結ぶラインの長さです。

そしてワイズ(足囲)とは、足の外周のことです。ワイズを調べるときは、第1指の付け根から第5指の付け根までのいちばん幅広の厚みを巻き尺などで図ります。ワイズを足の幅だと思われている方もいらっしゃいますが、実際は厚みを含んだ外周のことです。幅が狭くても甲が高い場合、ワイズは大きくなります。

ご自身の足のサイズとワイズを正確に把握することは、シューズを選ぶ上で大切なポイントになりますので、ぜひ計測しておきましょう。

足の形

シューズ選びのポイントとして、もう1つ知っておきたいのは、ご自身の足の形状についてです。足はサイズやワイズだけでなく、形状も一人ひとり異なっていますので、特徴を把握しておくことで、ご自身に合うメーカーを選べます。

足の形状には「エジプト型」「ローマ型」「ギリシャ型」「ドイツ型」「ケルト型」などがあります。この中で日本人に最も多いのは「エジプト型」で、第1指が最も長くて第2指から第5指に向けて徐々に短くなっていくことと、足の横幅が広いことがその特徴です。

ちなみに欧米人に多いのは「ギリシャ型」で、一番長い第2指を頂点とする山型に指が並んでおり、足の横幅は狭いのが特徴です。

海外のメーカーは、自国のプレイヤー向けに作っているため、日本人の足の形状には合わない場合もあります。日本人なら日本のメーカーのものを使うのがよいと思われますが、メーカーによって形状が異なったり、外国人向けの商品も作っていたりするので、実際に履いて確認するのが確実です。

試し履きのしかた

テニスのシューズを購入するときには、できるだけショップに出向いて試し履きをしましょう。その際、ただ足を入れて着脱のしやすさや履き心地を確かめるだけでなく、コートでの動きを想定して足を横に踏み出したり、軽くジャンプするなどの動作も行ったりしてみましょう。

テニスをするときは、通常の靴下よりも厚手のテニス用のソックスを着用します。シューズを購入するために試しに履いてみるときは、テニス用のソックスを着用するのがお勧めです。ほとんどのショップにも用意はしてあります。しかし他のお客様と兼用でサイズがご自身の足と合わない場合もあります。前もって購入して持参するか、シューズを選ぶ前にソックスを決めるなどして、ご自身が着用するソックスに合わせて試し履きされるのがよいでしょう。

まとめ

テニスのシューズ選びでは、ご自身のプレイスタイルを考慮すると同時に、フィット感を高めるために足の大きさや形状についての理解を深めた上で、選ぶことが大切です。初心者の方は、自分一人で悩まずに、専門家やベテランにアドバイスを受けて使うシューズを決めるのがよいでしょう。

「SUN TENNIS CLUB」では、経験豊富なコーチが、お一人おひとりに合うシューズについてアドバイスさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

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